とても親切起業ガイド

起業・独立の最低知識個人事業か、法人設立か。選択のポイントは?

2017年08月03日(木)

Q 事業を始めるには、個人がよいでしょうか。それとも法人化した方がよいのでしょうか。

個人事業か法人事業かA.個人で開業する場合のメリットは、開業までの手続が容易で、費用負担が少ないことですが、法律的に事業とプライベートの区別がないため、事業のリスクがそのまま個人のリスクに直結します。

 

一方、法人は、設立コストや運営・維持のコストが割高となりますが、事業リスクと個人リスクの分離が可能で、株式発行などの資金調達の選択肢が広く、事業資金の銀行借入や従業員の雇用等の組織的経営の“器”として扱いやすいメリットがあります。

 

事業拡張の意欲が強く、近い将来に従業員の雇用が予定される場合など組織的な役務提供を前提とする事業内容の場合には、最初から法人化を考えてもよいでしょう。

 

 

次のような内容について検討されている方ならば、会社(法人)を設立して法人形態を積極的に選択すべきでしょう。

 

  • 将来的に事業を拡大し、組織的な運営を図りたい。

  • 対外的な信用力(特に銀行、取引先、人材募集など)を強化したい。

  • 事業の永続性を図りたい(特に許認可を受けた事業の場合)。

  • ある程度の規模の元手(資本)や資金調達が必要となる。

  • 個人事業者にはない税制上のメリットを享受したい。

  • 会社(法人)形態でなければ取り引きできない取引候補がある。

 

一方、事業の性質がその個人に依存しており、将来的にも小規模のままでの事業継続が予定されるならば個人事業の選択も検討すべきです。

 

なお、フリーランスの方が、節税目的の法人成りを考える場合、法人と個人の税率の差だけに注目しがちですが、法人特有の“維持費”(定額の住民税、申告・届出や登記の事務コスト等)も考慮して“採算”を判定すべきでしょう。

 

「いくら以上の売上規模だと法人化すべきですか」と相談を受けますが、経費の構造もあり、一概には言えませんが、経験的には2500万円~3000万円辺りが、分岐点となるケースが多いように思います。

 

(出典:「とても親切起業・独立決心後ガイド」より改訂更新)

 

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